2017-01-01から1年間の記事一覧

はだしと虹、これからのこと

夏に住み始めた部屋は、朝日がよく射して、床が白くて、ざりざりしたはだしがなおのこといびつに見える。 今生のわたしが唯一わりと自信を持っているからだのパーツが手の爪なんですけど(それなりに大きさが揃っていてかたちもまあまあ)、足の爪はてんでだ…

おいしいものの話

●おかあさんのつくるかぼちゃの煮物 材料: ・かぼちゃ…適量 ・お砂糖…大さじ3くらい ・お醤油…たぶんお砂糖と同じくらい ・昆布だし…気が向いたらちょびっと ①お湯を少なめに沸かす(かぼちゃの時はだしを入れない) ②お砂糖とお醤油で煮汁をつくる ③かぼち…

25℃

あなたの口から卑猥な言葉を聞いてみたい、と言われたことが何回かある。 曰く、絶対にそんなこと言いそうにないから。 ──言ったことある? 女性器の名前とか。なさそう、ないでしょう。 ためらわずに「セックス」と言えるようになったのは大学3年の春だった…

やつあたり

プチシューをほおばる事務のおんなのこの隣で、わたし今ならきっと刺されてあげられる、と思った。 たとえば迷い込んできたすずめばちに。流行り病を防げない注射針に。強盗犯のさみしいナイフに。 それから。 ──個別の、たくさんの、花とかそういったものか…

ちいさなばけものの話

とおい川辺のお家にちいさなばけものが棲んでいる。 ちいさなばけものは写真を撮るのが好きだった。 時が流れれば流れたぶんだけ、花を、山を、湖を撮りに出掛けて行った。 彼のぴっちりした性格を撮ってきたかのような、間違いなくうつくしい写真を、ふうん…

踏む

通学路に色とりどりの紙吹雪が散っていて、ここで何が爆ぜてしまったのだろうと思う。 叔父さんになりたいんです。 わたしには兄も姉もいないし、そもそもわたしは男性でないので、逆立ちしたってわたしが「叔父さん」と呼ばれる日は来ないのだけれど。たと…

かわいくない

恋人にわがままを言って、コンビニでライチティーを買ってもらった。 あかるい深夜。 色つきのリップを使っているので、紙パックに挿したストローの口がだんだん透明なピンクになる。そのたびに、ことんと音を立てて、うなじのあたりからなにかが抜け落ちる…

電光掲示板

高速バスの窓から暮れてゆく空の色を見ていて、これが空の暗さなのか窓の暗さなのかわからない。 わたしはこれ以上泣かないために、友人からもらったおかきを控えめにかじっている。あいがみっつも並んでいる、という声がする。次は上飯田。

まぶしい

夏が来たのでリプトンレモンティー500mlの紙パックに魂を売った。森永乳業に貢ぐ3か月が始まる。 うつくしくなりたい、とおもう。 うつくしい、ってなんだろう。欲のないこと。凪いでいること。清浄で、潔白なこと。きらきらしていること。たとえば、自分の…